こんにちは。
ころぴす@kabumameta0629です。

現在私は米国中心にディフェンシブな優良資産株を毎月最低50万程買付し、配当を再投資するという地味で退屈な投資スタイルを採用しています。


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※今回の記事(中編)は、

前回記事:(前編)【ブリティッシュアメリカンタバコ】FDAメンソール規制の実現可能性

の続きとなっております。

1.はじめに

前回の前編記事において、私は今回のFDAによるメンソールタバコ規制(以下、「本件規制」という。)は、裁判所の司法審査に耐えられない、言い換えれば、本件規制は裁判所のお墨付きを得られないと結論づけました。

一方、これも前回記事の最後で触れましたが、上記結論は、あくまでブリティッシュ・アメリカン・タバコ(以下、「BTI」という。)側に立った結論となっており、仮に、私がFDA側に立てば、全く逆の結論を導くことも可能であります。

要は、本件規制は法的にはどちらの結論もあり得ると個人的には考えているということです。

投資家は将来の不透明さ・リスクを極度に嫌うものですから、本件規制の報道を受けて、もはや規制が現実化することが決定しているかのような錯覚を覚えるほど、BTI及びアルトリアグループ(MO)の株価は大幅な下落となっております。

しかし、私個人としては、本件規制はアメリカの裁判所でひっくり返される可能性も少なからずあると考えており(あくまで法的分析のみを前提とした私見です)、そうであるならば、BTIホルダー・MOホルダーにとっては望ましいことでしょう。
さて、今回の記事(中編)では、実際にメンソール規制の妥当性が裁判所で取り上げられた欧州司法裁判所の事例を取り上げてみたいと思います。


2.欧州司法裁判所の事例

(1)事実の概要

2014年2月、欧州議会は、世界一厳格なタバコ規制を定めたEU指令を承認した。
このEU指令は、①タバコパッケージにタバコの健康被害を表示すること、②フレーバー付きタバコの販売を禁止すること(メンソールは2020年まで猶予)、③電子タバコ用カートリッジのニコチン含有量を一定以下に制限すること、等が定められていた。

そこで、販売減少を恐れた大手タバコメーカーが、一斉に法廷闘争に打って出た。そして、この裁判で争点となったのは主に以下の3点である。

【争点】
①米フィリップモリス及びBTIは知的財産権侵害を理由にEU指令の無効を求める。
②イングランド・ウェールズ高等法院は、判決にあたり、EU指令の解釈を求める。
③ポーランド政府及びルーマニア政府は、メンソールタバコの販売規制を不服とし、同規制の取消を求める。

この裁判は、上記3件にわたる訴訟に関して、欧州司法裁判所がまとめてEU指令の解釈を示すものと位置づけられた。

なお、以下の(2)判決結果では、上記③のメンソール規制に関する点だけを取り上げます。

(2)判決結果

欧州司法裁判所は、今回の判決にあたって、人体の健康保護、及び、2005年に発効された「タバコの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組条約」におけるEU諸国の義務を大前提としています。
そして、メンソールタバコの販売規制については以下のように結論付けました。

EU指令の「目的」は、タバコによる健康被害の削減にあるとし、メンソールタバコ及びフレーバータバコは消費者にとってより魅力的なものとなってしまうため、(規制「手段」たる)販売禁止措置は妥当である。

以上から、2020年以降、EU圏内ではメンソールタバコの販売ができなくなってしまいます。
(3)補足(解説)

前回の前編記事でご紹介した、「目的」・「手段」の審査で上記判決につき補足すると以下の通りとなります。

人体の健康保護、及び、2005年に発効された「タバコの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組条約」におけるEU諸国の義務を大前提とすると、欧州司法裁判所は、EU指令の「目的」であるタバコによる健康被害の削減は合理的であるのは言うまでもなく、極めて重要な目的と評価しています。

そして、メンソールタバコが消費者にとって(通常のタバコと比べてという意味)より魅力的なもの(※)となるという理由付けを行い、規制の「手段」たる販売禁止措置も合理的と評価しています。

※メンソールがより魅力的という判断は、メンソールが通常のタバコと比し、吸いやすく、依存性が強く、中毒症状を発生させやすいといったFDAの主張と親和性がありますね・・・。


3.おわりに

次回の後編記事にてFDAによる本件規制の実現可能性及び私自身のBTI及びMOに対する投資方針について総括致します。
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参照記事①:(前編)【ブリティッシュアメリカンタバコ】FDAメンソール規制の実現可能性
参照記事②:(後編)【ブリティッシュアメリカンタバコ】FDAメンソール規制の実現可能性